
平成16年から、資本金1億円を超える法人に対し、事業税の外形標準課税制度を導入することが決まりました。恐らく今後税収が減り続ければ、資本金1億超に限らず(事業税の)外形標準課税が導入される方向にあるものと思われます。ということで、ここで少し、外形標準課税というものに注目してみたいと思います。
そもそも、税金の納付というのは、憲法に定められた国民の義務であるわけですが、なんでもかんでも徴収しようというものではなく、一応、できるかぎり相対的な平等を実現させながら徴収しようという、憲法上の理念があります。つまり、あらゆる税金について、「払うべき人」と「払わなくてもいい人」がいると、法律は考えているです。そして、「払うべき人」になる能力を「担税力」と言います。どのような税金についても、担税力は考慮されているのです。
担税力は税金の種類によって、その内容が微妙に異なります。例えば、所得税や法人税については、「儲けてよかったね!」ということ、すなわち「利益(所得といいます)=担税力」と解釈しています。つまり、当たり前のようですが「儲けた人は税金を払うべきだよね」ということになるのです。相続税も同じような感じで、「莫大な遺産をもらえてラッキーですね」というところに担税力を見出して課税します。
少し違うのが印紙税や消費税で、前者は「契約書が作れる」ということ、後者は「サービスや商品を購入・消費する」ということが「担税力」であると考えているようです。その他、「財産を所持している」ということに担税力を見出す固定資産税などがあります。
さて、問題の「事業税」ですが、地方税であるこの税金については「都道府県からサービスを受けられること」=担税力と考えます。つまり…「ある都道府県の中で事業してるってことは、その都道府県の恩恵をなんらかの形で受けてるよね。だから税金払ってよ。」と言っているわけです。都道府県から受けるサービスは、儲けてるか否かではあまり差がでません。むしろ規模や取引量などで変化するものです。したがって、本来事業税は、儲けである所得に着目すべきではなく、恩恵をうけている程度、すなわち事業規模であるとか人数であるとか、外見で判断できるものを基準にすべきだと言われます。
とは言うものの、現行事業税は簡便的に所得を基準とする税の徴収方法をとっています。そこで、所得が減り税収も減った今、本来的に事業税のあるべき姿、つまり、外見で判断できる事業規模などを基準として課税すべきだという意見が出てくるのです。
これが、外形標準課税(外形=外見、標準=判断基準、で課税する)ということなのです。
少し前、東京都や大阪府で導入され、現在係争中の「銀行税」も外形標準課税の一類型で、最終的な利益ではなく、取引規模を表せるであろう「業務粗利益」を課税の基準とするものです。(ちなみに、、、あれは、銀行税という新しい税法を作ったわけではなく、課税標準を外形にしてもよいという地方税法の一条項を解釈して、銀行の業務粗利益に照準を絞ったものであり、その解釈の適否が争われているのです。)
日本の不況が始まってから、国内法人の利益(所得)が減少しています。つまり、利益に担税力を見出す所得税や法人税による税収が激減しているのです。そこで、外形標準制度によれば、利益の減少は税収と無関係ですから、財政難な今、その導入が本格的に検討されているのです。
(職員 K)
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